2009/11/28

This is it

六本木ヒルズでの最終日だったらしく午前中にもかかわらず、ほぼ満席でした。
とてもよく出来た映画でした。映画というよりほぼフィルムコンサートと言った方が良いのかも。
あれを見てしまうと非常にもったいない、惜しい事をしたという思いです。もちろんマイケル自身、そしてああまで完璧に準備された壮大なスケールのエンターテイメントが消滅した事。
私自身、最近のマイケルに関しては無関心の状態でした。ある多くの人々、ある世間が同じようにマイケルをもう終わってしまったのかも、とか思って頭から離れていた事は事実だと思われます。
あの訳のわからない衝撃的な死により鮮明に復活してしまったのです。そしてあの死により彼は生前にも増して伝説化されたと思うのです。
あの映画を見る限りマイケルはあのマイケル・ジャクソンとして健在でした。しかしあのやせ細った身体でのあのエネルギーの使い方の裏にあるものはと考えると代償はあまりにも多かったかな、と。
考えるは彼が何を思っていたか。巨万の富と名声を手に入れてしまった後、彼はどこに向かって生きていたか。
幸せを手に入れていたのか、いや幸せを感じていたのかと。
彼を餌食にしたであろうとりまきとその会社組織。
あの素晴らしい才能が消滅し、二度と見ることができなっくなった悲しさ、寂しさと同時にあの映画を制作した人々の怪しい思惑に不快感を感じてしまったのは私だけでしょうか。
彼はいわゆるアメリカンドリームをいち早く手中に収め、そしてそのアメリカ社会に殺されてしまいました。
彼のステージを実際に見ていた事は実に幸運だったと今思うことです。
彼の本意であったろう、世界の平和、救済、そのエンドロールが終わり、会場拍手に包まれ、席を立った時の私のめまいはいったい何だっただろう。今まで見た映画の中で最も複雑な想いで映画館を後にすることになりました。